2011/02/16

おれたち3人は今日から家族だ

2月10日、日本に帰国しました。
7月16日に日本を発ったので、約7ヶ月の海外生活でした。


バングラデシュでのグラミン銀行インターンから始まり、ベルギーでの半年間の交換留学、その間の旅行と、結局滞在した国は、バングラデシュ、ベルギー、スペイン、オランダ、フランス、イギリス、ドイツ、モロッコ、セネガルの9カ国。よく動き回った7ヶ月でした。


実は今回の留学は、あんまり具体的な目的ってのを用意しないでいきました。
留学後こうなっていたいとか、留学中にこんなことしてみたいっていうのを決めていけば確実に留学の成果を出せたかもしれません。


でも今回は、自分に何も課さずに、自分の心に正直に、自分が「こうしたいな」って思ったことを素直に実行しよう。「今」を生きよう。そうすれば何か見えて来るし、何かがやってくるんじゃないだろうか。運命に任せるというか、そんなスタンスでこの留学に望みました。


だから留学前の心配事といえば小学校に入る前の幼稚園児みたいなもんで、友達100人できるかな、とかそんな心配事だったわけです。


そうして特に何も考えずに留学生活初日が始まるんです。で、まず家の手配から始まるんですが、神様ってなんて素敵なんでしょうか、本当に素敵な友達を僕に会わせてくれるんです。
身長2m3cmのドイツ人ロバートとザ・白人のスウェーデン人マティアスと同じ家になったんですね。するとロバートが、「おれたち3人は今日から家族だ」と言うんです。


この言葉が僕の留学の始まりであり、僕の留学の全てです。


ぼくとロバートとマティアスは、朝一緒にご飯を食べて、一緒に学校に登校する。休憩時間を一緒に過ごして、ランチも一緒に食べる。学校が終われば一緒に家に帰って、一緒に夕飯を作って食べる。夜は一緒に飲みにいくか、パーティーに行って、一緒に家に帰って来て寝る。


気になる女の子の話から、今までの自分達の歴史、自分たちの国の文化、様々な事象に関する意見、なんでも、これ以上話すことないんじゃないかというくらいほんとに何でも話しました。


すると類は友を呼ぶとはこういうことなんでしょうか、僕たちの周りにまた素晴らしい友達が集まってくるんです。最終的に20人くらいだったんですけど、このグループは留学が終わるまでずっと一緒に何でもしました。


授業も大体一緒に授業を取って、一緒にグループワークをして、一緒に死にものぐるいて勉強して、一緒に色んな国を旅行して、一緒に誕生日会とかクリスマスパーティーなんかも開きました。


みんなに出会えば、みんなNaoki, Naoki,ってとびっきりの笑顔をくれる。何かあれば僕はみんなの元に帰ればいい。だから何でも挑戦できたし、傷つくことも、恥をかくこともできたし、ほんとにいっぱい喜んで、ほんとにいっぱい幸せを感じることができました。ぼくが留学中に色んなことに挑戦して、いろんなことを経験できたのはひとえにみんなのおかげです。


僕はみんなからほんとに色んなものをもらいました。
留学当初は僕の英語はすごい下手くそだったのに、そんなことを気にせずみんなは僕と仲良くしてくれて、ましてや英語を色々教えてくれたりもしました。
帰国間近になると、「naoki英語上手くなったね」なんて言ってくれました。
ヨーロッパの常識なんか全然知らなかった僕に「ヨーロッパではこうするんだぜ」って色んなルールを教えてくれました。
何より、僕はただ1人の日本人でアジア人であるってことを何も気にせず、彼等にとって初めての日本人の友人として僕を受け入れてくれました。


ぼくはこんなにもみんなに色んな物をもらった幸せ者でした。
こんなに幸せになっていいんでしょうか?神様がいればそう質問したかもしれません。
でも、留学が終わるにつれてその幸せに対して、ある疑問がぼくの心の中ですごく大きくなっていきました。


「ぼくはみんなに何かしてあげられたんだろうか?」


するとみんなは愛情いっぱいに答えてくれるんです。
「当たり前じゃないか。お前はおれの親友で、お前がおれの留学を作ってくれたんだ。本当に色んなことをお前から教わったよ。何よりお前がおれのアジア人のイメージを変えてくれたんだ。だからそんなこと聞くなよ。」


ぼくは涙をこらえきれませんでした。


なんて幸せなんだろうか。
大好きな人から一杯影響を与えてもらって、その上大好きな人に影響を与えられるなんて。
本当に当たり前のことなんだけど、その当たり前のことがいかに幸せなことかに気付かされました。


この留学で学んだことはハードなことからソフトなことまで正直一杯あります。ありすぎるくらいです。でも、一番の収穫は本当にこの単純なことなんです。


ぼくには大好きな友達が必要で、僕は彼等にぼくの人生に入り込んで来てほしいし、ぼくも彼等の大切な人生の大切な一部になれたら本当に幸せなんだっていうこと。




だから、帰国後最初のブログは、難しいことは抜きにして、みんなへの感謝で締めくくりたいと思います。




みんながぼくの留学を作ってくれました。ぼくは本当に幸せでした。


みんな、ありがとう


Naoki