2011/02/06

魔法の国モロッコ(8) 旅行者な街フェズとローカルな街メクネス

魔法の国モロッコシリーズ


さて、メルズーガで幸せを満喫したぼくは、夜行バスでフェズを目指す。
メルズーガからフェズへのバスは7時発のバス(記憶あいまい。たしか7時)しかない。
隣に誰もいなかったので、横になって寝ているといつの間にかフェズに着く。
朝5時だ。
とりあえずタクシーでメディナまでいく。
なぜか安いし、優しい。
朝早いからだろうか。よくわからん。


メディナに着くとなんか変な杖とスポンジを持ったおっさんが「宿か?来い」という。


・・・スポンジ


・・・怪しい


いや、今のおれは運気が向いている。
それに、ついて行くならタダだ。
何件か宿を紹介されるが、少し高い。
5件ほど回ったが、すべて断った。
「もう自分で探すよ、ありがとう」
そう言って去ろうとすると、スポンジおじさんは最後のチャンスをくれという。
スポンジを何度も握り直しながら言う。
必死だからついて行ってみると、ほんとにとっておきのを出して来た。


とっておきだ。
外見はただの家。
ただの家の窓を叩くと、なんか変なおばあさんが出て来た。
でもこのおばあさん、なんか変だ。
いや、変だ。絶対変だ・・・
そしてぼくはその変な感じの正体を見つける。
そのおばあさんの唇の上には黒くふさふさしたものがあるのだ。
いや、そんなはずはない。
目をこすり、もう一度そのおばあさんの顔を見つめる。
うん、あるわ。
ひげだわ。
絶対あれひげだわ。


ぼくはそのおばあさんの醸し出す威圧感に屈し、その宿に宿泊した。
しかもスポンジおじさんはぼくにお金を要求せず、満足げに帰っていった。
スポンジおじさんにひげばあさん。
なんだかわけがわからん。


お昼になると、ぼくはひげばあさんに別れを告げ、フェズの街を少し歩く。
フェズといえばモロッコで訪れるべき街の一つで、マラケシュとフェズに行ってこそモロッコに行ったと言える。



豆スープと魚。なかなかの安さ。


モロッコ、フェズと言えばミントティー。


バスで出会ったオーストラリア人一家。





旅行者の街だけあって、なかなか綺麗だったりする。
しかし、そんな街はぼくには何のアピールもしてこなかった。
そう、ぼくはもう観光地には飽き飽きしていたのだ。
だからぼくは3時間程ほっつき歩いて回り、次の街メクネスへの電車に飛び乗った。


メクネスには1、2時間程で着いた。7時ぐらいに着いたのだろうか、あたりは暗かった。
タクシーを使い、lonley planetに乗っていた安宿へ向かう。
少しお腹が空いたので街を歩いてみるのだが、とにかく人が少ない。そして客引きも少ない。
「これだよこれ。こういうローカルな街を旅したいんだよ。」
ぼくは屋台で若い男の子の前に座り、サンドイッチを食べた。6デュラハム(60円)。
安い。ローカル価格だ。


サンドイッチにはこんなのが入ってる。




僕の前に座る男の子は学生らしく、いろいろ話した。すると街を案内したいと言い出し、1時間程色んな話をしながら街を歩いた。
別れ際もお金を要求してくるわけでもなく、純粋にいいやつだった。
これだからローカルはいい。
モロッコの旅をあと1日だけ残した時点で、ぼくは自分の旅のスタイルを認識した。
といっても遅すぎるのだが。


明日はとうとう終わりの街カサブランカへ帰り、帰国である。